こんにちは。アランです。
「連続増配株を1本持っておきたい。でも、増配が止まったら意味がないのでは」——私が三菱HCキャピタルを調べ始めたときに一番気になったのが、この点でした。
私はJFEホールディングスで減配を経験しています。年100円だった配当が80円に下がり、含み損は▲23%。「高配当」という言葉だけで買った結果でした。だからこそ、増配が続く理由を自分で説明できない銘柄は買いたくないと考えるようになりました。

27年も増配が続いた会社なら、28年目も続くのか。数字で確かめました
この記事を読むと、三菱HCキャピタル(8593)が28期連続増配を見込む根拠、2026年3月期の決算実績と2027年3月期の会社計画、そして株価指標から見た今の水準がわかります。私自身も100株保有している銘柄なので、買った理由と迷った点も正直に書きます。
結論から書きます。三菱HCキャピタルは2027年3月期に1株51円の配当を予想しており、達成すれば28期連続増配になります。予想配当性向は45.8%と、増配余力を残した水準です。ただし2027年3月期の純利益計画は前期比でほぼ横ばいで、増配ペースがこれまでどおり続くかは今期の進捗を見る必要があります。
三菱HCキャピタル(8593)はどんな会社か
三菱HCキャピタルは、2021年に三菱UFJリースと日立キャピタルが経営統合して誕生した総合リース会社です。「HC」は日立キャピタル(Hitachi Capital)の頭文字です。
リース会社と聞くとコピー機や社用車を貸す会社を思い浮かべるかもしれませんが、この会社が扱っているのは規模がまったく違います。
| セグメント | 主な中身 |
|---|---|
| カスタマーソリューション(国内) | 国内企業向けリース・ファイナンス |
| 海外地域 | 海外でのリース事業(資産の過半が海外) |
| 環境エネルギー | 再生可能エネルギー。国内トップクラス |
| 航空 | 航空機・航空機エンジンのリース |
| ロジスティクス | 海上コンテナ、北米の貨車リース |
| 不動産 | 不動産ファイナンス・開発 |
| モビリティ | 自動車リース・レンタル |
7つのセグメントがあり、しかもそれぞれ景気の影響を受けるタイミングが違います。この「社内で分散が効いている」構造が、後で説明する増配の継続性に直結しています。
2026年3月期の決算実績と2027年3月期の見通し
2026年5月15日に発表された2026年3月期の決算では、当期純利益が1,622億円となり、4期連続で過去最高益を更新しました。
一方、2027年3月期の会社計画は純利益1,600億円です。数字だけ見ると前期比マイナスですが、ここには注意点があります。前期の利益には連結子会社の決算期変更にともなう228億円が含まれており、この一時的な要因を除いて比べると、実質的には増益の計画になります。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(会社計画) |
|---|---|---|
| 当期純利益 | 1,622億円(4期連続最高益) | 1,600億円 |
| 年間配当 | 46円(27期連続増配) | 51円(28期連続増配へ) |
| 予想配当性向 | — | 45.8% |
「利益は横ばい計画なのに配当は5円増やす」。ここが、この会社の株主還元に対する姿勢がはっきり出ている部分です。利益の伸びに合わせて配当を決めるのではなく、増配の継続そのものを優先している形になります。
ただし裏を返せば、利益が伸びないまま増配を続ければ配当性向は上がり続けます。私がこの銘柄で唯一気にしているのはこの点です。配当性向の見方は高配当株の選び方|利回りだけで選んではいけない3つの理由で詳しく整理しています。
28期連続増配の中身を分解する
三菱HCキャピタルの配当は、1999年3月期の1株0.8円から2027年3月期予想の51円まで、28年で約63倍になっています。2027年3月期の内訳は中間25円・期末26円の予定です。
連続増配の年数だけを見て安心するのは危険だと私は考えています。増配の「中身」を見ないと、記念配当の上乗せで見かけ上つながっているだけ、というケースもあるからです。三菱HCキャピタルの場合は普通配当がそのまま積み上がっている形なので、この点はクリアしています。
私は、ニュースを確認しても何も動かず注視することに決めました。
連続増配株そのものの考え方は連続増配株とは|なぜ投資初心者にこそおすすめかにまとめました。同じく連続増配を続けるメガバンクとの比較は三菱UFJ FG(8306)の配当分析、たばこ銘柄との比較はJT(2914)の配当は今後も安心?、通信の連続増配銘柄はKDDI(9433)の配当分析が参考になります。
株価指標から見た今の水準(2026年8月14日時点)
| 指標 | 数値 | 読み方 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,401円 | 100株で約14.0万円 |
| PER(会社予想) | 12.5倍 | 日本株の平均並み |
| PBR(実績) | 1.00倍 | 解散価値とほぼ同水準 |
| 配当利回り(会社予想) | 3.64% | 高配当の目安3%を超える |
| 1株配当(会社予想) | 51円 | 2027年3月期 |
| ROE(会社予想) | 8.00% | 日本企業の合格ラインは8% |
配当利回り3.64%は、高配当株として十分な水準です。PERは12.5倍で、割安とまでは言えないものの割高でもありません。PBRはほぼ1.00倍まで下がっており、市場からの評価は解散価値とほぼ同水準です(2026年7月時点は1.04倍でした)。
これらの指標の意味がわからない場合は、先に株式投資の基本用語を初心者向けに徹底解説!PER・PBR・ROEを読んでいただくと、この表がそのまま読めるようになります。
私はこの銘柄を100株保有しています。最初は2026年5月15日、相場が大きく下げた日に買値1,384円で1株だけ買いました。100株買う勇気はまだなかったものの、「持っていないと決算も配当も自分ごとにならない」と思ったのが理由です。単元未満株なら数千円から買えます。買い方は単元未満株(S株・ミニ株)とは?少額から株を始める方法に書きました。その後2026年8月3日、単元化のため1,419円で買い増し、100株になりました。日本株全体が調整気味だったことと、決算を控えてポジションを落とす投資家が多いのではという読みが理由です。結果的にその4日後の8月7日、第1四半期決算で純利益が前年同期比▲44.8%となり、株価も一時1,385円まで下げました。それでも長期で見ているので特に気になっていません。むしろ「10%くらい下がれば買い増したい」と思っていたので、そこまで下がらなかったのは少し拍子抜けでした。
📊 株価シナリオ予測
| 強気シナリオ | 航空・ロジスティクスの好調が続き、通期計画1,600億円を上振れ。2028年3月期も増配が続くとの見方が広がり、PBR1.2倍前後まで評価が切り上がる展開 |
| 中立シナリオ | 計画どおり純利益1,600億円前後で着地。配当51円が維持され、利回り3.5%前後の水準で株価がもみ合う展開 |
| 弱気シナリオ | 航空・海運市況の悪化や円高で海外セグメントが減益。配当性向が50%を超え、増配ペースの鈍化が意識される展開 |
なぜ増配が続くのか|三菱と日立の組み合わせ
28年も増配が続く会社には、続けられる仕組みがあります。三菱HCキャピタルの場合、統合した2社の性格の違いがそのまま強みになっています。
- 三菱UFJリース(銀行系):三菱UFJフィナンシャル・グループを背景にした資金調達力と、幅広い企業ネットワーク
- 日立キャピタル(メーカー系):航空機・コンテナ・産業機械といった実物資産の目利き力と、海外での専門事業のノウハウ
お金を安く集める力と、集めたお金を実物資産で運用する力。この2つがそろっているのが、リース業界のなかでのこの会社の位置づけです。
景気の波を社内で打ち消す構造
7つのセグメントは、それぞれ違うタイミングで好不調が来ます。
- 好況時:航空機リース(航空需要増)、コンテナリース(貿易量増)、不動産の売却益が伸びる
- 不況時:国内リースの安定収益と、政策に支えられる環境エネルギー事業が下支えする
私が保有しているJFEホールディングスは、鉄鋼という単一の市況にほぼ全部が連動します。だから鉄鋼市況が悪化したときに、逃げ場がなく減配になりました。三菱HCキャピタルはその逆で、社内に7本の柱がある。同じ「高配当株」でも、配当の安定性がまったく違うのはここです。この対比は【保有銘柄】JFE(5411)含み損▲23%…損切りか保有かに実数字で書いています。
注意すべきリスク4つ
- 航空・海運市況の変動:高収益な反面、振れ幅も大きいセグメント
- 為替:セグメント資産の過半が海外。円高は利益の押し下げ要因になる
- 金利上昇:リース会社は資金を借りて運用する商売なので、調達コストの上昇が直撃する
- 配当性向の上昇:利益が横ばいのまま増配を続ければ、いずれ増配余力は細る
とくに金利上昇は、リース会社にとって構造的な逆風です。日本の金利がこの先どう動くかは誰にも読めないので、「連続増配だから安心」と思考停止しないための材料として頭に置いています。
金利上昇が株価に影響するなんて株を始めるまで絵考えてもいませんでした。
私は金利の上げ下げは読めないので、頭にはおいていますが、どっちにいっても慌てずに保有し続けることをしています。
まとめ|28期連続増配をどう受け止めるか
- 2027年3月期の配当予想は1株51円。達成すれば28期連続増配で、28年で約63倍
- 2026年3月期は純利益1,622億円で4期連続の過去最高益。2027年3月期の計画は1,600億円
- 2026年7月24日時点で株価1,439円・PER12.91倍・PBR1.04倍・配当利回り3.54%
- 増配が続く理由は、性格の違う7セグメントが景気の波を社内で打ち消す構造にある
- 気にすべきは予想配当性向45.8%という水準と、金利上昇による調達コスト
次の一手として私がおすすめするのは、いきなり100株を買うことではなく、次の四半期決算で純利益の進捗率を自分で確認することです。通期計画1,600億円に対して第2四半期時点で50%前後なら計画どおり、という見方ができます。決算資料は三菱HCキャピタル公式の株主・投資家情報ページで誰でも読めます(2026年3月期 決算概要資料〈PDF〉)。
高配当株投資そのものの進め方は高配当株投資の始め方 完全ガイドに、配当をいくらまで増やせば生活が変わるのかは配当金生活はいくら必要?必要資産を現実的に試算にまとめてあります。
追記(2026年8月15日):2027年3月期 第1四半期の実績
2026年8月7日、2027年3月期第1四半期(4〜6月)の決算が発表されました。純利益は316.09億円で前年同期比▲44.8%の減益、売上高5,391億円(▲7.8%)・営業利益471億円(▲42.9%)でした。前年同期に計上した一時的な増益効果の剥落と、資産売却益の減少が主因です。通期計画1,600億円は据え置かれており、第1四半期時点の進捗率は約19.8%です。株価は決算発表前の8月7日終値1,446.5円から、8月10日には1,385円(▲4.25%)まで下落しました。その後8月12日1,409.5円・8月13日1,418.5円と戻し、8月14日終値は1,401円です。私自身はこの決算をきっかけに保有株数を動かしていません。長期で見ているので株価の下落自体は気になりませんでしたが、正直「もう少し下がったら買い増したい」と思っていたので、そこまで下がらなかったのは少し拍子抜けでした。
それでは。



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