こんにちは。アランです。
「利回り4%なら、100万円で年4万円の配当がもらえる」。高配当株の分かりやすい魅力に惹かれて調べ始めたら、今度は「高配当株はやめとけ」という記事や動画が次々に出てきて、買う気が揺らいでいる。この記事は、そんな状態の方に向けて書いています。
結論から書くと、高配当株には明確なデメリットが5つあります。そして私は、その大半を頭では知っていたつもりで実際に踏み抜き、保有銘柄で含み損▲23%(金額にして▲48,000円)を抱えました。
この記事では、高配当株のデメリット5つと「買ってはいけない銘柄」の特徴を、私自身の失敗談込みで解説します。読み終わる頃には、「やめとけ」と言われる本当の理由と、それでも高配当株投資をやるなら何に気をつけるべきかが整理できているはずです。

教科書に書いてあるリスクを、自分の口座で全部体験しました。授業料は高くつきました…
高配当株のデメリット5つ|「やめとけ」と言われる理由

まず、高配当株のデメリットを一覧で整理します。1つずつ順番に解説していきます。
| デメリット | 何が起きるか |
|---|---|
| ① 減配・無配のリスク | 業績悪化で配当が減る・なくなる |
| ② 株価下落のリスク | 配当以上に元本が減る |
| ③ 高利回りの罠 | 利回りの高さ自体が危険のサイン |
| ④ 値上がり益が狙いにくい | 成熟企業が中心で株価の伸びは限定的 |
| ⑤ 税金と複利の問題 | 受け取るたびに約20%課税される |
①配当は「約束」ではない:減配・無配のリスク
最大のデメリットはこれです。配当は銀行預金の利息と違い、企業が業績に応じて自由に増減できます。業績が悪化すれば減配(配当を減らすこと)や無配(配当ゼロ)は普通に起こります。
さらに厄介なのは、減配が「二段下げ」を引き起こす点です。配当収入が減るのが一段目。そして、配当目当てで保有していた投資家が一斉に売るため株価も下がるのが二段目です。収入と元本の両方を同時に失う、高配当株で最も避けたい展開です。
②配当より大きく株価が下がることがある
利回り4%の株を100万円分買うと、配当は年4万円です。しかし株価が5%下がるだけで▲5万円となり、1年分の配当が一瞬で吹き飛びます。
配当がもらえるのは年1〜2回。一方、株価は毎日動きます。「配当をもらいながら気長に持つ」つもりが、気づけば配当数年分の含み損、というのは高配当株投資では珍しくない光景です。後述しますが、私自身がまさにこの状態です。
③高すぎる利回りは「危険のサイン」
配当利回りの計算式は「年間配当÷株価」です。ここに落とし穴があります。分子の配当が増えなくても、分母の株価が急落すれば利回りは勝手に上がります。
つまり、利回りランキングの上位には「業績悪化で株価が売り込まれ、市場が減配を織り込んでいる銘柄」が紛れ込んでいます。見た目の利回りに釣られて買うと、その後の減配発表で利回りも株価も崩れる。いわゆる「高配当の罠(バリュートラップ)」です。利回り以外に何を見て選ぶべきかは、高配当株の選び方|利回りだけで選んではいけない3つの理由で詳しく解説しています。
④値上がり益と成長は期待しにくい
高配当を出せる企業は、事業が成熟して大きな成長投資が不要になった企業が中心です。稼いだ利益を配当として株主に返すということは、裏を返せば「利益を事業拡大に回していない」ということでもあります。
そのため、株価が数倍になるような成長株的なリターンは基本的に狙えません。高配当株投資は「株価の値上がりをある程度あきらめて、配当という現金収入を取りに行く」トレードオフの投資だと理解しておく必要があります。
⑤受け取るたびに約20%の税金がかかる
配当金には受け取るたびに20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。年4万円の配当なら、手取りは約31,900円です。税金の詳細は国税庁タックスアンサーNo.1330「配当金を受け取ったとき」で確認できます。
また、配当として現金を受け取ると、再投資しない限り複利が働きません。投資信託の分配金再投資型と比べて、資産形成の効率では不利になりやすい構造です。なお、NISA口座で買えばこの税金は非課税になるので、高配当株投資をやるなら制度の活用は前提として考えたいところです。
【実体験】高配当株の落とし穴にはまり含み損▲23%になった話

ここからは一般論ではなく、私自身の失敗談です。私はJFEホールディングス(5411)を100株、取得単価約2,093円で保有しています。買った理由はシンプルで、当時の会社計画ベースで年間配当100円・利回り約4.8%という数字に魅力を感じたからです。
正直に書くと、買うまでの検討はかなり雑でした。きっかけはTwitterで見かけた「高配当銘柄一覧」です。そこでJFEに注目し、「鉄鋼銘柄はPBRが1倍を切っていて割安なんだな」と考えていました。しかし、他の鉄鋼銘柄との比較はせず、「なぜPBRが低いのか」という一番大事な問いも検討しないまま、「長期で持ち続けるからいいか」と、株価が下がったタイミングの勢いで買ってしまいました。
今なら分かります。PBR1倍割れは「割安のサイン」であると同時に、「市場がその会社の将来をそれだけ厳しく評価しているサイン」でもあります。安さには理由がある。その理由を調べずに買ったのが、そもそもの失敗の入り口でした。
その後に起きたことは、この記事で書いたデメリットの実演のようでした。
| 項目 | 買った当時の前提 | 実際に起きたこと |
|---|---|---|
| 年間配当 | 100円 | 80円に減配 |
| 配当利回り | 約4.8% | 前提ごと崩壊 |
| 業績 | 高配当を維持できる想定 | 純利益701億円(前期比▲23.6%)で2期連続減益 |
| 株価 | 2,093円で取得 | 一時1,573円まで下落。含み損▲48,000円(▲22.9%) |
デメリット①の減配、②の株価下落、③の「高利回りは危険のサイン」を、1銘柄でまとめて食らった形です。鉄鋼業は景気に業績が大きく左右される典型的な景気敏感株で、中国の過剰生産という構造問題も重なりました。減配発表後は配当目当ての投資家の売りも重なる、まさに二段下げでした。

含み損▲48,000円は、減配後の年間配当8,000円のちょうど6年分。「配当でコツコツ回収」が、いかに気の長い話になるか痛感しました…
減配の一報は、決算発表をまとめてくれるアプリの通知で知りました。100円から80円への減配。そのときの正直な気持ちは、驚きではなく「ああ、やっぱりか」でした。業績が落ちているのは薄々わかっていて、心のどこかで減配を覚悟していたのだと思います。裏を返せば、買う前にその「やっぱり」に気づけるだけの材料は、決算数字の中に最初からあったということです。
この失敗を損切りすべきか保有すべきか、数字で徹底検証した記事が別にあります。実際の判断プロセスを見たい方は【保有銘柄】JFE(5411)で含み損▲23%…損切りか保有か、数字で徹底検証してみたをどうぞ。結論だけ書くと、私は撤退ラインを決めた上で今も保有を続けています。
買ってはいけない高配当株の特徴5つ【チェックリスト】
私の失敗と、その後に学び直した内容をチェックリストにまとめました。買う前にこの5項目を確認するだけで、危険な高配当株はかなりの確率で避けられます。
| チェック項目 | 警戒ライン | 理由 |
|---|---|---|
| 配当利回りが高すぎる | 6%超は一度疑う | 株価急落=市場が減配を織り込んでいる可能性 |
| 配当性向が高い | 70%超は要注意 | 利益の大半を配当に回しており、減配の余地が大きい |
| 減配の履歴がある | 直近10年で減配あり | 業績悪化時にまた減配する可能性が高い |
| 業績が景気に大きく連動 | 鉄鋼・海運・化学など | 好況期の高配当が不況期に続かない |
| 特別配当・記念配当でかさ上げ | 「特別」「記念」の文字 | 翌期に剥落して利回りが下がる |
特に見てほしいのが配当性向です。配当性向とは「利益のうち何%を配当に回しているか」を示す数字で、高すぎる場合は配当の持続可能性に黄信号が灯っています。実際、私のJFEは減配前の配当性向が72.5%まで上がっていました。今振り返れば、減配の予兆は数字にはっきり出ていたことになります。
逆に言えば、「利回りはほどほどでも、配当性向に余裕があり、減配せずに配当を増やし続けている企業」が高配当株投資の本命です。銘柄選びの具体的な手順は高配当株の選び方にまとめています。
高配当株のデメリットへの対策3つ

デメリットを知った上で、それでも高配当株投資をやるならどうするか。私が失敗から立て直すために実践している対策は3つです。
①「利回りの高さ」より「連続増配」を軸にする
減配リスクへの最も現実的な対策は、減配しない実績を積み上げてきた企業=連続増配株を軸にすることです。例えば三菱HCキャピタル(8593)は28期連続増配に向けて増配を続けており、リーマンショックもコロナショックも減配せずに乗り切っています。
私はJFEの失敗の後、2026年5月15日の暴落時に三菱HCキャピタルを1,384円で買いました。まだ1株だけですが、「利回りの高さで飛びつく」から「増配実績で選ぶ」への方針転換の第一歩です。銘柄分析は三菱HCキャピタルの今後は?に、連続増配株がなぜ初心者向きかは連続増配株とはにまとめています。
②1銘柄に集中しない・少額から始める
私のJFEの失敗は、1銘柄に100株(約21万円)を一括投入したことで傷が深くなりました。どんなにチェックしても減配リスクはゼロにできない以上、対策は「1銘柄あたりの金額を抑えて分散する」しかありません。
今は単元未満株(1株単位の取引)を使えば数千円から高配当株を買えます。私の三菱HCキャピタル1株保有もこの方法です。最初から100株単位で勝負せず、少額で「減配や株価下落を実際に経験しながら」金額を増やしていく方が、結果的に安く学べます。
③高配当株「だけ」に資金を寄せない
デメリット④で書いた通り、高配当株は資産を大きく増やす投資には向いていません。資産形成の土台はインデックス投資に任せて、高配当株は余力の範囲でやる。この組み合わせなら、高配当株のデメリットが資産全体に致命傷を与えることはなくなります。
実際、私もS&P500への月3万円のつみたては続けたまま、高配当株はその外側でやっています。インデックス投資のやり方は米国株インデックス投資の始め方を、配当金生活に必要な資産額の現実は配当金生活はいくら必要?を参考にしてください。
まとめ:デメリットを知った上で高配当株と付き合う
最後に、この記事の要点を整理します。
- 高配当株のデメリットは「減配」「株価下落」「高利回りの罠」「成長性の低さ」「税金・複利」の5つ
- 特に怖いのは減配。収入減と株価下落の「二段下げ」が同時に来る
- 私はJFEで減配+含み損▲23%(▲48,000円)を実際に経験した。予兆は配当性向72.5%という数字に出ていた
- 買う前に「利回り6%超」「配当性向70%超」「減配歴」「景気敏感」「特別配当」の5点をチェックする
- 対策は「連続増配株を軸に」「少額・分散で」「高配当株だけに寄せない」の3つ
「やめとけ」と言われる理由は、どれも実在します。ただ、それは「デメリットを知らずに飛びつくのはやめとけ」という意味であって、リスクを理解した上で付き合うなら、配当という現金収入は投資を続ける強い支えになります。少なくとも私は、▲23%の含み損を抱えた今でも高配当株投資自体はやめていません。
次の一歩としては、高配当株投資の始め方 完全ガイドで、口座開設から銘柄選びまでの全体像を確認するところからです。
それでは。



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