損切りラインを決めていない私が、一度だけ損切りした話|▲65%で売った株と、含み損のまま持ち続けている株の違い

初心者向け
アラン
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損切りライン、決めてないんだけど大丈夫なのかな……

こんにちは。アランです。

「損切りライン 決めていない」で検索したことがあります。含み損の画面を眺めながら、自分のやり方がまずいのは薄々わかっていて、それでも誰かに「大丈夫だよ」と言ってほしかったのだと思います。

出てきた記事は、どれも同じことを書いていました。「買う前に10%下落で損切りと決めておく」。正しい話です。ただ、私が知りたかったのはそこではありませんでした。もう決めないまま買ってしまった株を、いま抱えている人間はどうすればいいのか。そこを書いている記事が見つからなかったのです。

この記事では、損切りラインを決めていない私の実際の保有状況と、それでも一度だけ損切りした銘柄、そして売った株と売らなかった株の違いがどこにあったのかを、金額を出して書きます。教科書的な正解ではなく、実際に決めていない人間の記録として読んでもらえればと思います。

正直に書きます。私は損切りラインを決めていません

まず現在地から書きます。私が個別株として持っているのは3銘柄で、そのうち2つが含み損です。

銘柄 取得単価・株数 直近株価 損益
JFEホールディングス(5411) 2,093円 × 100株 1,799.5円 ▲29,350円(▲14.0%)
日本M&AセンターHD(2127) 780円 × 100株 639.3円 ▲14,070円(▲18.0%)
三菱HCキャピタル(8593) 1,384円×1株→2026年8月3日に1,419円で買い増し、100株(平均取得単価約1,418.65円) 1,401円 ▲1,765円(▲1.2%)
株価はJFEが2026年8月4日、日本M&AセンターHDが2026年8月3日終値、三菱HCキャピタルが2026年8月14日終値(Yahoo!ファイナンス)。損益は取得単価との差から筆者計算

合計すると含み損は約43,400円です。運用資産は約300万円で、その7割は投資信託の積立、個別株は3割ほど。全体から見れば致命傷ではありませんが、決して気持ちのいい数字ではありません。

そしてこの2銘柄について、私は「何円まで下がったら売る」を一度も決めていません。買うときに決めなかったし、含み損になってからも決めていない。JFEは減配の発表があったときも、売却を検討すらしませんでした。その経緯は【保有銘柄】JFE(5411)含み損▲23%…損切りか保有かと、その後を追ったJFE(5411)含み損のその後|減配後も売らなかった理由に書いたとおりです。

それでも一度だけ、▲65%で損切りした株があります

ラインを決めていない私にも、実は一度だけ損切りした経験があります。それも中途半端な金額ではありません。

数年前、SNSやラジオのコメンテーターが話題にしていた銘柄を、内容をろくに調べないまま買いました。1株75円ほどの、いわゆる低位株です。値動きが軽く、上がるときは一気に上がる。「乗り遅れたくない」という気持ちだけで買ったのを覚えています。

結果は、75円で買って26円で売却。率にすると▲65%でした。この銘柄については、株価がいくらになったらという判断ではなく、ある時点で「これはもう無理だ」と手放しています。

アラン
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含み損の株を放置している私が、この株だけは売れた。この差は何だったのか、あとからずっと考えていました。

SNSで見かけた銘柄に飛びつく癖については、株初心者が最初に買うべきではない株の特徴7つで自分の失敗として整理してあります。

売った株と売らなかった株の違いは、株価ではありませんでした

▲65%は損切りできたのに、▲14%と▲18%は動けない。数字だけ見れば逆です。損失が大きいほど売りにくくなるのが普通なのに、私は一番大きく負けた株だけを手放しています。

あとから振り返って、差はここにあったと思っています。売れたのは、自分がなぜ買ったのかを説明できない株だったということです。

低位株を買った理由は「人が勧めていたから」で、それ以外に何もありませんでした。理由がないので、下がったときに「待てば戻る」と考える根拠もゼロです。支えるものが何もないから、ある日ぷつりと切れました。

一方、いま持っている2銘柄には、粗いなりに理由があります。

  • JFE(5411):Twitterの高配当銘柄一覧で見つけ、「鉄鋼はPBRが1倍を切っていて割安だ」と考えて買いました。他の鉄鋼銘柄と比べたわけでも、なぜPBRが低いのかを調べたわけでもありません。それでも、2027年3月期の予想配当は1株80円、予想配当利回りは4.45%(2026年8月4日時点)で、配当は出続けています
  • 日本M&AセンターHD(2127):事業承継の需要は簡単には消えないと考えて買いました。2027年3月期の予想配当は1株29円(普通25円+特別4円)、予想配当利回りは4.54%(2026年8月3日時点)です

つまり私は、「待つ理由がある株は待ち、待つ理由がない株は切っていた」ということになります。これはルールとして決めたものではなく、あとから自分の行動を並べて見えた傾向です。PBRのような指標を買う前に確認する話はPER・PBR・ROEの違いと使い方にまとめています。私はこれを買ったあとに勉強した口です。

決めていないことの、隠れたコストも書いておきます

ここまで読んで「では決めなくていいのか」と受け取られると困るので、決めていないことのコストも正直に書きます。

一つ目は資金が動かないことです。JFEと日本M&Aで約28万円を投じていて、それが含み損のまま止まっています。この間、他に買いたい銘柄が出てきても資金は動かせません。

二つ目が、私の場合は特に効いています。私の個別株はすべてNISAの成長投資枠で買っています。特定口座は使っていません。NISA口座で出た損失は、他の口座の利益と損益通算できず、翌年以降への繰越控除もできません。税務上「なかったこと」として扱われます。

これは、損切りしても税金の面で取り戻せるものが何もない、ということです。特定口座なら「損を確定させて他の利益と相殺する」という前向きな理由が損切りに与えられますが、NISAではそれがない。結果として「じゃあ売らなくていいか」と自分を甘やかす材料になっています。非課税というメリットの裏側にこういう顔があることは、買う前には想像していませんでした。

NISA枠そのものの仕組みや、高配当株との相性については高配当株投資の始め方 完全ガイドにまとめてあります。

「決めていない」と「決めなくていい」は違う

では、いまの私が何も見ていないかというと、そうでもありません。株価のラインは決めていませんが、事実のほうは見るようにしています。

たとえば日本M&AセンターHDは、2026年7月30日に第1四半期の決算を発表し、人件費などの負担で営業利益が減りました。翌31日の株価は637.6円まで下げ、前日比▲9.15%です。こういうときに私が確認するのは「いくら下がったか」ではなく、買ったときの前提が崩れたかどうかです。事業承継の需要が消えたわけではなく、配当も維持予想のままなので、今回は前提は崩れていないと判断しました。この銘柄をなぜ持ち続けているかは【保有】日本M&AセンターHD(2127)を含み損で持ち続ける理由に書いています。

JFEも同じで、減配が発表されたときに売らなかったのは、「配当には下限があるはずだ」「それまでに株価が戻るのではないか」と考えたからでした。楽観的だという自覚はあります。ただ、少なくとも株価だけを見て動いてはいません。

この「前提が崩れたかで判断する」という考え方は、売る側でも同じでした。私が唯一まとまった利益を出せた三菱UFJ(8306)も、1,699円で買って2,879円で売っています。詳しくは株の売り時がわからない…利益が出た株はいつ売る?に書きました。増配が続くと分かっていても売ることはあるし、最後に決め手になったのは家計の事情でした。

これから決める人と、もう決めそこねた人へ

立場によって、できることが違うと思っています。

これから買う人は、素直に買う前に決めたほうがいいです。一般的な目安として「取得価格から10%下落したら」という水準がよく挙げられます。含み損が10%を超えると、取り返すのに必要な上昇率が急に重くなるためです。私はこれをやらずに買って、いまの状態になっています。

すでに含み損を抱えていて、ラインを決めそこねた人は、いまから株価のラインを決めようとしてもうまくいかないと思います。私も何度か試みましたが、含み損の状態から「▲20%で切る」と決めると、それは損切りラインではなく単に近い将来の売却予約になってしまい、結局守れませんでした。

代わりに使えたのは、株価ではなく事実で線を引くやり方です。私の場合は「無配になったら」「本業が赤字に転落したら」のような、株価に依存しない条件のほうが向いていました。含み損の株の売る基準・持ち続ける基準は含み損との付き合い方で整理しています。

なお、三菱HCキャピタル(8593)はもともと1株だけ買ったものでした。少額で済ませたかったからではありません。暴落は今後も何度も来るはずで、そのとき自分が実際に買えるかどうかは、身銭を切ってみないと分からないと思ったからです。

100株では、判断を間違えたときの損失が大きすぎます。1株なら1割下げても痛手にならず、むしろそのときは買い増しの機会かもしれない。1株だけ持って日々眺めることで、自分が「ここだ」と思うタイミングが当たっているのかを確かめられると考えました。含み損を抱えた銘柄の隣で、判断の練習台として置いてあった1株です。そして2026年8月3日、単元化のため1,419円で買い増しし、100株にしました。日本株全体が調整気味だったことと、決算を控えてポジションを落とす投資家が多いのではという読みからです。この銘柄については三菱HCキャピタル(8593)の配当は今後も増える?にまとめています。

まとめ

  • 私は損切りラインを決めていません。JFEで▲29,350円、日本M&AセンターHDで▲14,070円の含み損を抱えたままです(2026年8月3〜4日時点)
  • それでも一度だけ、75円で買った低位株を26円で損切りしました(▲65%)
  • 切れたのは、買った理由を説明できない株だったからです。待つ根拠がない株は、支えるものがないので切れます
  • 決めていないことのコストは、資金が止まることと、NISA成長投資枠では損益通算ができないぶん「売らない理由」が増えてしまうことです
  • これから買うなら買う前に決める。もう決めそこねたなら、株価ではなく「無配になったら」のような事実で線を引くほうが現実的でした

損切りラインを決めていないこと自体は、褒められた状態ではありません。ただ、決めていない人間が何を見て判断しているのかという記録は、どこにも落ちていませんでした。同じ画面を眺めている人の役に立てば幸いです。

次にやることを一つだけ挙げるなら、いま持っている銘柄について「どんな事実が出たら前提が崩れたと考えるか」を紙に書き出すところからだと思います。株価の数字より、こちらのほうが守れます。

それでは。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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