こんにちは。アランです。
「もう減配で裏切られたくない」。そう思って検索窓に「連続増配株 ランキング」と打ち込んだことはありませんか。私にはあります。
私はX(旧Twitter)で見かけた「高配当銘柄一覧」を鵜呑みにしてJFEホールディングス(5411)を買い、その後に1株100円だった配当が80円へ引き下げられる場面に立ち会いました。含み損は一時▲23%。配当利回りの数字だけを見て買った結果、利回りの分母である株価も、分子である配当も、両方が下がっていったわけです。
そこから私が探し始めたのが「何年も配当を減らしていない会社」でした。この記事では、2026年7月時点で20年以上の連続増配を続けている日本株を増配年数順に一覧で整理し、そのうえでランキングの順位を鵜呑みにしないための見方までまとめます。読み終わる頃には、「増配年数が長い=安心」という単純な理解から一段深いところへ進めるはずです。

減配を1回食らうと、利回りの数字への信頼が根っこから揺らぎます。私がランキングを見る目つきが変わったのは、間違いなくJFEの一件からでした。

日本の連続増配株ランキング(20年以上・2026年7月時点)
まずは全体像です。以下はダイヤモンド・ザイが公表している連続増配株ランキング(2026年7月1日時点)をもとに、増配年数順に並べたものです。銘柄の紹介であり、購入を推奨するものではありません。
| 順位 | 銘柄(コード) | 連続増配 | 配当利回り |
|---|---|---|---|
| 1 | 花王(4452) | 36年 | 2.45% |
| 2 | SPK(7466) | 28年 | 3.13% |
| 3 | 三菱HCキャピタル(8593) | 27年 | 3.90% |
| 4 | 小林製薬(4967) | 26年 | 1.95% |
| 5 | ユー・エス・エス(4732) | 26年 | 2.92% |
| 5 | リコーリース(8566) | 26年 | 4.21% |
| 7 | ユニ・チャーム(8113) | 24年 | 2.36% |
| 8 | リンナイ(5947) | 24年 | 2.97% |
| 8 | KDDI(9433) | 24年 | 3.16% |
| 8 | 沖縄セルラー電話(9436) | 24年 | 1.92% |
| 8 | サンドラッグ(9989) | 24年 | 3.53% |
| 12 | サンエー(2659) | 23年 | 3.47% |
| 13 | パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532) | 22年 | 1.07% |
| 14 | ロート製薬(4527) | 22年 | 2.14% |
| 14 | 栗田工業(6370) | 22年 | 1.41% |
| 14 | 高速(7504) | 22年 | 3.53% |
| 14 | ニトリホールディングス(9843) | 22年 | 1.38% |
| 18 | プラネット(2391) | 21年 | 3.66% |
| 19 | 芙蓉総合リース(8424) | 21年 | 4.13% |
| 19 | みずほリース(8425) | 21年 | 4.19% |
| 順位 | 銘柄(コード) | 連続増配 | 配当利回り |
|---|---|---|---|
| 1 | 花王(4452) | 36年 | 2.45% |
| 2 | SPK(7466) | 28年 | 3.13% |
| 3 | 三菱HCキャピタル(8593) | 27年 | 3.90% |
| 4 | 小林製薬(4967) | 26年 | 1.95% |
| 5 | ユー・エス・エス(4732) | 26年 | 2.92% |
| 5 | リコーリース(8566) | 26年 | 4.21% |
| 7 | ユニ・チャーム(8113) | 24年 | 2.36% |
| 8 | リンナイ(5947) | 24年 | 2.97% |
| 8 | KDDI(9433) | 24年 | 3.16% |
| 8 | 沖縄セルラー電話(9436) | 24年 | 1.92% |
| 8 | サンドラッグ(9989) | 24年 | 3.53% |
| 12 | サンエー(2659) | 23年 | 3.47% |
| 13 | パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532) | 22年 | 1.07% |
| 14 | ロート製薬(4527) | 22年 | 2.14% |
| 14 | 栗田工業(6370) | 22年 | 1.41% |
| 14 | 高速(7504) | 22年 | 3.53% |
| 14 | ニトリホールディングス(9843) | 22年 | 1.38% |
| 18 | プラネット(2391) | 21年 | 3.66% |
| 19 | 芙蓉総合リース(8424) | 21年 | 4.13% |
| 19 | みずほリース(8425) | 21年 | 4.19% |
先に一つ注意点を書いておきます。連続増配の年数は、集計する媒体によって1期前後ずれます。「実績が確定した期まで」で数えるか「今期の会社予想まで含めて」数えるかの違いです。たとえば三菱HCキャピタルは上の表では27年ですが、2027年3月期の会社予想を実現すれば28期連続増配になります。ランキングの順位そのものより、「20年以上続いている企業がこれくらいある」という母集団の把握に使うのが正しい読み方です。

上位銘柄はどんな会社か
花王(4452)— 国内最長の36年
アタックやビオレでおなじみのトイレタリー大手が、日本の連続増配記録の首位です。1990年3月期から増配を続け、2026年12月期の予想を実現すれば37期連続増配になります。年間配当は分割前ベースで1株156円(前期比2円増)の予想で、37期のあいだに配当額は約21.9倍へ増えました。
なお花王は2026年7月1日を効力発生日として1株を2株に分ける株式分割を実施しています。中間配当は分割前の78円、期末配当は分割後の39円という計画で、分割を考慮したベースでは年間78円相当です。証券会社のサイトで見る配当額が分割前か分割後かで倍違って見えるので、この時期の花王を調べるときは注意してください。
SPK(7466)— 28年、自動車部品の専門商社
知名度は高くありませんが、自動車の補修部品を扱う専門商社として長く増配を続けています。2027年3月期は前期の36.5円から4.5円増の1株41円を予想しており、実現すれば29期連続増配です。注目したいのは配当性向が27.37%と低い点で、利益に対して配当の負担が軽く、増配を続ける余力が残されている状態です。
三菱HCキャピタル(8593)— 27年、利回りとの両立

私も保有しています!
連続増配20年超の企業は利回り2%台が多いなかで、3%後半という水準を保っているのがこの会社の特徴です。2027年3月期は1株51円(中間25円・期末26円)の予想で、実現すれば28期連続増配。配当性向は約40.7%で、方針として掲げる水準に沿った運営が続いています。
私が買ったのは2026年5月15日、相場が大きく下げた日でした。単元未満株で1株1,384円。「1株だけ?」と思われるかもしれませんが、暴落の日に連続増配株を少しでも拾っておく経験そのものに意味がありました。銘柄としての詳しい分析は【27期連続増配へ】三菱HCキャピタルの今後は?最新決算と見通しを徹底分析にまとめています。
リコーリース(8566)— 26年、方針転換で利回り4%台へ
2027年3月期の予想は1株256円(中間128円・期末128円)で、前期比71円という大幅な増配です。内訳は普通配当93円に特別配当35円を加えた形で、創業50周年を機に2026年度から6年間連続で特別配当を実施する方針が示されています。配当性向は44.47%、予想利回りは4%台に乗りました。
ただしここは読み方が分かれるところです。増配の中身が「特別配当」である以上、6年間の期間が終わったあとに普通配当だけが残る可能性を織り込んでおく必要があります。増配の金額の大きさだけで飛びつくと、数年後に「減配」という見出しに驚くことになります。
なぜリース会社と生活必需品メーカーばかりなのか
表を眺めると、業種に明確な偏りがあります。リース・金融(三菱HCキャピタル、リコーリース、芙蓉総合リース、みずほリース)と、生活必需品・日用品(花王、小林製薬、ユニ・チャーム、ロート製薬、サンドラッグ)でかなりの席が埋まっています。
理由はシンプルで、景気に左右されにくい収益構造を持っているからです。リース会社は契約期間にわたって決まった料金が入る積み上げ型のビジネスで、来期の売上がある程度読めます。日用品メーカーは、不況になっても洗剤やおむつの購入をやめる人がほとんどいません。利益が安定している会社だけが、20年という長さで増配を続けられます。
逆に言えば、私が減配を食らった鉄鋼のような市況産業は、この表にほぼ登場しません。鋼材の価格や中国の需要で利益が数倍に振れる業種で「毎年必ず増配」を約束するのは、そもそも無理があります。JFEで学んだのはここでした。利回りの数字だけを比べていたときの私は、業種ごとの利益の振れ幅という視点をまったく持っていませんでした。この失敗の詳細は【保有銘柄】JFE(5411)で含み損▲23%…損切りか保有か、数字で徹底検証してみたに実数字で書いています。
利回りが4%台に乗っている連続増配株がリース会社に集中している点も、この文脈で理解できます。リース業は資産に対する利益率が高くない一方で収益が安定するため、株価が控えめに評価されやすく、結果として利回りが高く出やすい構造です。
記録は永遠ではない|サンエーの23年がストップした話
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
上の表で12位のサンエー(2659)は、沖縄を地盤とする小売企業で23年の連続増配を積み上げてきました。ところが2026年2月期の年間配当125円は、普通配当100円に株式公開25周年の記念配当25円を上乗せしたものでした。翌2027年2月期の配当予想は1株110円。前期比15円の減配となり、23年続いた連続増配の記録はここでストップする見込みです。
注目してほしいのは、この減配が業績の悪化によるものではない点です。周年記念という一度きりの上乗せがあり、その反動で翌期の数字が前期を下回る。普通配当だけを見れば100円から110円へ増えているのに、記録としては「減配」になります。

記念配当・特別配当の反動は、初心者がいちばん引っかかりやすい落とし穴だと思います。増配の中身を見ずに年数だけ追いかけていると、こういう場面で理由もわからないまま不安になります。
連続増配のランキングは、あくまで過去の実績の記録です。20年続いたから21年目も続く、という保証はどこにもありません。実際、リコーリースの特別配当にも同じ構造の論点があります。増配年数を見るときは、必ず「その増配は普通配当が増えたものか、それとも一時的な上乗せか」まで確認してください。
ランキングを見たあとに確認したい3つの数字

順位表は入り口にすぎません。私がJFEの失敗以降、必ず見るようにしている3つを挙げます。
1. 配当性向|増配を続ける余力があるか
利益のうち何%を配当に回しているかを示す数字です。SPKの27%のように低ければ、多少利益が減っても配当を維持・増額する余地があります。逆にこれが70%、80%と高い水準の企業は、利益が少し落ちただけで配当の維持が難しくなります。私が保有していたJFEは、減配の直前に配当性向が70%台まで上がっていました。危険信号は減配の発表より前に、配当性向に出ていたわけです。
2. 利益が伸びているか|増配の原資はどこから来ているか
増配は本来、利益の成長に裏付けられているべきものです。利益が横ばいなのに配当だけ増えている状態は、配当性向を切り上げているだけで、いずれ限界が来ます。連続増配の年数を確認したら、純利益が右肩上がりかどうかも決算短信で見てください。
3. 増配の中身|普通配当か、記念・特別配当か
サンエーの例で見たとおりです。増配額の内訳が公表されているので、「普通配当がいくらからいくらへ増えたのか」を見てください。ここを押さえておけば、記念配当の反動による減配に驚かずに済みます。
この3つを含めた高配当株の選び方の全体像は高配当株の選び方|利回りだけで選んではいけない3つの理由で詳しく整理しています。連続増配株そのものの考え方(取得利回りが育つ仕組みなど)を先に押さえたい方は連続増配株とは|なぜ投資初心者にこそおすすめなのかを解説もあわせてどうぞ。

狙い通り増配すると、とても嬉しいです
保有していた三菱UFJ銀行等、増配のニュースが出るたびに、小躍りして喜んでいました。
連続増配株ランキングとの付き合い方
最後に、この表をどう使うかを整理します。
- 銘柄選びの母集団として使う:20年以上増配を続けている企業は、それだけで「利益が安定している会社」というスクリーニングを一段通過しています。ここから業種や利回りで絞るのは合理的な手順です
- 順位を目的にしない:36年と28年の差に大きな意味はありません。集計基準で1期ずれる程度の数字です
- 利回りとのトレードオフを受け入れる:連続増配株は利回り2%台が中心です。目先の配当額を最優先するなら、この表とは別の探し方が必要になります
- 1銘柄に集中しない:記録が途切れる可能性は常にあります。業種を分けて複数持つことが、増配ストップの影響を薄める唯一の方法です
私がJFEで学んだのは、「利回りが高い」と「配当が減らない」はまったく別の話だということでした。連続増配ランキングは、後者を探すための地図としてよくできています。ただし地図は過去の地形しか描いていません。そこから先は、配当性向と利益の推移を自分で確認する作業が必要になります。
高配当株投資の全体像を最初から順に確認したい方は、高配当株投資の始め方 完全ガイド|選び方・罠銘柄・買うタイミング・分散の考え方をハブとして読んでください。受け取る配当から逆算して必要な資産額を知りたい方は配当金生活はいくら必要?必要資産を現実的に試算してみたが参考になります。
まとめ
- 2026年7月時点で20年以上の連続増配を続ける日本株は約20社。首位は36年の花王(4452)
- 顔ぶれはリース・金融と生活必需品に偏る。景気に左右されにくい収益構造が長期増配の条件になっている
- 利回り4%台を確保しているのはリコーリース、みずほリース、芙蓉総合リースなどリース系
- 増配年数は集計基準で1期ずれる。順位そのものより母集団の把握に使う
- 記録は途切れる。サンエーは記念配当の反動で2027年2月期に23年の連続増配がストップ見込み
- ランキングを見たあとは、配当性向・利益成長・増配の中身(普通配当か記念配当か)の3点を必ず確認する
※本記事の数値は2026年7月時点の公表情報・市場データに基づきます。連続増配年数・配当額・利回りは今後の業績や会社予想の修正により変動します。最新の情報は証券会社のサイトや各社のIR情報でご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
それでは。



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