こんにちは。アランです。
株を買うときは「これから上がりそうだ」と期待して買えるので、意外と決断できるものです。ところが、いざ買った株に利益が出てくると、今度は別の悩みが出てきます。「今売れば利益が確定するけど、もっと上がるかもしれない」「でも、ここで下がったら儲けが減ってしまう」。そうやって、株の売り時がわからないまま、画面をずっと眺めてしまう。私自身、まさにそうでした。
私が初めて買った日本株は三菱UFJ FG(8306)でした。運よく株価が上がっていったのですが、当時の私は「いつ売ればいいのか」がまったくわからず、毎日そわそわしていた記憶があります。結果として1,699円で買った株を2,879円で売り、しっかり利益を出すことができましたが、そこに至るまでは迷いの連続でした。
この記事では、株の売り時がわからないと悩む方に向けて、私が実際に利益確定を経験して感じたこと、そして売り時を考えるときに私が使っている判断の視点を、体験ベースでお話しします。読み終える頃には、「売り時に絶対の正解はない」と割り切ったうえで、自分なりの基準を持つヒントが得られるはずです。

なぜ株の売り時は買い時より難しいのか
買うときは「上がってほしい」という一つの期待に集中できます。ところが売るときは、二つの後悔が同時に頭をよぎります。「売ったあとに上がったらどうしよう(売るのが早すぎた後悔)」と、「売らずに下がったらどうしよう(売るのが遅すぎた後悔)」です。どちらの後悔も避けたいという気持ちが、判断を止めてしまいます。
さらにやっかいなのが、含み益が出ているときの心理です。人は「利益を失いたくない」という気持ちが強く働くため、少し下がると慌てて売りたくなり、上がっているときは「まだいける」と欲が出ます。この感情に振り回されると、根拠のないタイミングで売買してしまいがちです。

私も含み益が出ているときは、仕事中でも株価アプリを何度も開いてしまいました。今思えば、あの落ち着かなさこそが「基準を持たずに売買しようとしているサイン」だったのだと思います。
私が三菱UFJを1,699円で買い、2,879円で売った話
私が初めて買った日本株が三菱UFJ FGでした。当時、株式投資を始めたばかりで、「まずは自分が名前を知っている大きな会社を」という理由で選んだ銘柄です。取得価格は1,699円でした。
買ったあと、株価は少しずつ上がっていきました。含み益が増えるのは嬉しいのですが、同時に「いつ売ればいいのか」という悩みが日に日に大きくなっていきました。1,800円を超えたときも、2,000円を超えたときも、「もっと上がるかも」と思って売れませんでした。逆に少し下がった日には「今のうちに売ったほうがいいのでは」と不安になりました。
最終的に、私は2,879円で売却しました。取得価格1,699円に対して、1株あたり1,000円以上の値上がり益を確定できたことになります。

毎期ごとに配当金を貰うのも嬉しい事ですが、売却益もまた違った嬉しさがあります。
ただ、正直に言うと、「2,879円が最高のタイミングだった」と胸を張れるわけではありません。売ったあとにさらに上がった可能性もありますし、逆にもっと早く売る判断もあり得ました。それでも「利益が出ている状態で、自分が納得して売れた」ことに意味があったと感じています。売り時に100点満点の正解を求めないことが、私が最初の売却から学んだいちばん大きな教訓でした。
実際その後時価総額が日本一になり大きく株価が上昇していました。
ただしあの時売らずにいれば、とは思いませんでしたね。
売り時を考えるときに私が使っている3つの視点

売り時に絶対の正解はありません。それでも、迷ったときに立ち返ると判断がしやすくなる視点があります。私が意識している3つを紹介します。
視点1|買ったときの理由が、まだ生きているか
株を買うときには、必ず何かしらの理由があったはずです。「連続増配していて配当が魅力的だから」「業績が伸びていくと思ったから」などです。売るかどうか迷ったときは、その最初の理由がまだ生きているかを確認します。買った理由が崩れていない(たとえば増配が続いている)なら、値動きに慌てて売る必要はないと考えます。逆に、買った理由そのものが崩れたなら、含み益・含み損にかかわらず売却を検討する材料になります。
視点2|あらかじめ「出口」を決めておく
買ったあとに売り時を考え始めると、感情に流されやすくなります。そこで、買う前(または買った直後)に「ここまで上がったら一部売る」「投資の前提が崩れたら売る」といった自分なりの出口をぼんやりとでも決めておくと、いざというときに判断しやすくなります。私は三菱UFJのときにこれをしていなかったので、余計に迷いました。この反省が、今の私の投資スタイルにつながっています。
視点3|お金が必要になったときは、堂々と売っていい
投資はあくまで自分の生活を豊かにするための手段です。ライフイベントでまとまったお金が必要になったなら、株価がいくらであろうと売却するのは正しい判断です。「もっと上がるかも」という理由で、必要な資金を株に縛りつけてしまうほうが、むしろリスクになり得ます。

投資をするために、今必要なお金を使えないのは本末転倒です
「もっと上がるかも」で売れない心理との向き合い方
売り時がわからない人の多くが、「売ったあとにもっと上がったら悔しい」という気持ちに縛られています。私もそうでした。この気持ちと向き合うために、私は「最高値で売ることは誰にもできない」と割り切るようにしています。
株価の天井や底は、あとから振り返って初めてわかるものです。プロの投資家でも、いつも最高値で売れているわけではありません。だとすれば、個人投資家である私たちが狙うべきは「最高のタイミング」ではなく、「自分が納得できるタイミング」です。利益が出ている状態で売れたなら、それはもう十分に良い結果だと考えるようにしています。
一つの方法として、保有株を一度に全部売るのではなく、何回かに分けて売るやり方もあります。一部を売って利益を確定させつつ、残りを保有し続ければ、「売ったあとに上がる後悔」と「売らずに下がる後悔」の両方をやわらげられます。
含み損のときの「売り」は考え方が別
ここまでは利益が出ているときの売り(利益確定)の話をしてきました。一方で、含み損を抱えているときの売り、いわゆる損切りは、また別の難しさがあります。私自身、JFEホールディングス(5411)で大きな含み損を抱え、損切りするか保有を続けるかを本気で悩んだ経験があります。その判断過程は以下の記事に、実際の数字とともにまとめています。
【保有銘柄】JFE(5411)含み損▲23%…損切りか保有か、数字で徹底検証してみた
また、「売る基準・持ち続ける基準」を含み損の局面も含めて整理した記事もあります。利益が出ているときと損をしているとき、両方の売り判断を知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。
含み損との付き合い方|売る基準・持ち続ける基準を初心者向けに解説

利益が出ている株を売るのも、損をしている株を売るのも、どちらも「感情に流されないこと」が大事という点は共通しています。事前に基準を持っておくと、心がだいぶ楽になります。
そもそも「売らない」という選択肢もある
ここまで売り時の話をしてきましたが、視点を変えると「売らずに持ち続ける」のも立派な選択です。とくに配当を出してくれる高配当株や連続増配株であれば、売らずに保有し続けることで、値上がり益とは別に配当を受け取り続けられます。私が三菱UFJを保有していたときも、値動きばかり気にしていましたが、配当という視点を持っていれば、もう少し落ち着いて構えられたかもしれません。
三菱UFJのようなメガバンク株の配当については、以下の記事で分析しています。「売る・売らない」を考えるうえで、その銘柄が長期保有に向いているかどうかを知る材料になります。
三菱UFJ FG(8306)の配当分析|メガバンクの増配は続くのか?
長期で保有し、配当を受け取りながら資産を育てていく考え方については、複利の記事も参考になります。
複利とは何か?投資初心者がまず知っておきたい「お金が増える仕組み」をやさしく解説
まとめ|売り時に100点の正解はない
- 売り時が難しいのは、「早すぎた後悔」と「遅すぎた後悔」の両方を避けたくなるから
- 最高値で売ることは誰にもできない。狙うべきは「自分が納得できるタイミング」
- 迷ったら「買った理由がまだ生きているか」を確認する
- 買う前に「出口(ここまで上がったら売る・前提が崩れたら売る)」をぼんやりでも決めておく
- お金が必要になったときは、株価に関係なく堂々と売っていい
- 一度に全部売らず、何回かに分けて売る方法もある
- 含み損のときの損切りは別の難しさがある。JFEの記事もあわせて読むと判断の幅が広がる
まずは、今持っている株を「なぜ買ったのか」をあらためて書き出してみることから始めてみてください。買った理由をはっきりさせておくだけで、売り時の迷いはずいぶん軽くなります。
なお、長期・積立・分散といった投資の基本的な考え方については、金融庁のサイトでも初心者向けにわかりやすく解説されています。あわせて確認しておくと安心です。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
それでは。



コメント